「高原なら涼しい」のワナにハマった震える夜
下界は35度の猛暑だから、涼しい高原に行こう!
そう思って標高1200mのキャンプ場へ逃げ込んだことがあります。
確かに昼間は爽やかな風が吹いて天国でした。
しかし、日が落ちた途端に事態は急変。
気温が一桁まで急降下したのです。
夏装備のペラペラのシュラフしか持っていなかった私は、持てる衣類(カッパ含む)を全て重ね着し、ガタガタ震えながら朝を待ちました。
歯がカチカチ鳴るほどの寒さの中、無知は罪だと痛感しました。
あの恐怖体験から、私は標高100m上がるごとに気温は0.6度下がるという公式が体に叩き込まれています。
平地が30度でも、1200mなら単純計算でマイナス7.2度、つまり22度前後になります。
これはあくまで昼間の話。
夜間は放射冷却でそこからさらに5度〜10度下がることだってザラです。
つまり、真夏でも夜は10度近くまで下がる可能性があるということ。
だから私は、夏でも必ずウルトラライトダウンやフリースを一枚、バッグの隙間に忍ばせています。
暑ければ枕にすればいいだけですが、寒さは装備がなければどうにもなりません。
備えあれば憂いなしは、アウトドアにおける絶対の真理なんです。
風速1mは体感温度を1度奪う:見えない敵と戦う
気温と同じくらい、いやそれ以上に重要なのが風です。
バイクに乗っている私たちなら、走行風がいかに体温を奪うか身にしみて分かりますよね。
キャンプ場でも同じで、風速1mにつき体感温度は約1度下がると言われています。
気温10度でも風速5mなら体感は5度。
さらに雨が降って濡れれば、低体温症のリスクすらあります。
これはもう、立派な冬キャンプです。
私はSCWやWindyといった高精度な気象アプリを駆使して、現地の風速と風向きを事前にチェックします。
風の強さを色で表示してくれるので、直感的に「あ、この時間は真っ赤(強風)だからヤバイな」と分かります。
もし強風予報なら、迷わず林間のキャンプ場に変更するか、思い切ってツーリングを中止しましょう。
ひらけた高原は見晴らしが良い反面、風を遮るものがないので、夜通しテントがバタバタと煽られ、轟音で一睡もできない可能性があるかもしれません。
設営の向きで夜の快適さが劇的に変わる
現地に着いたら、アプリの予報と実際の風向き(木々の揺れや雲の流れ)を確認して、テントの設営方向を決めます。
基本中の基本は、風上に入り口を向けないこと。
入り口から風が入るとテントが風船のように膨らんで、最悪の場合ポールが折れたりペグが抜けたりして崩壊します。
私はいつも、風上側にテントの背の低い流線型の部分を向けて、風を受け流すように設営します。
また、前室で調理をする際も、風向きを計算しないとバーナーの火がすぐに消えてしまって、お湯ひとつ沸かすのに30分かかるなんてことも。
風防(ウインドスクリーン)を使うのも手ですが、まずは自然の風向きを読む。
見えない風を読み、合理的な配置をデザインすると、自然の中で快適に過ごせますよ。
