平均時速30kmの冷酷な現実
地図を見ていると「ここからここまで100kmか、余裕でしょ」って思いがちですよね。
私もかつてはそうでした。
でも、実際に走ってみると、日本の下道(一般道)における平均時速は、信号待ちや渋滞を含めると驚くほど遅いんです。
市街地なら時速20km、郊外の流れの良い道でも時速40km程度。
ならして計算すると、だいたい時速30kmという数字に落ち着きます。
つまり、往復200km走るだけで、単純計算でも7時間近くバイクの上にいることになります。
これに休憩や食事、絶景ポイントでの写真撮影時間を加えると、朝8時に出ても帰宅は夕方6時を過ぎます。
以前、欲張って片道150km(往復300km)の日帰りプランを立てたことがありますが、帰りはもう景色を楽しむ余裕なんてゼロ。
お尻の痛みと眠気、そしてまだ家まで50kmもあるのかという絶望感との戦いでした。
あのとき学んだのは、楽しさを維持できる限界値は「下道なら往復200kmまで」という鉄の掟です。
帰宅後の体力を残すデザイン
ツーリングの計画を立てるとき、どうしても目的地に着くことばかりを考えがちですが、実は無事に、笑顔で家に帰ることまでをデザインすべきです。
特に私たちソロキャンパーやライダーは、帰宅後に待っている「片付け」というラスボスを忘れがちです。
ヘトヘトになって帰宅し、虫の死骸がついたヘルメットを拭き、チェーンに注油し、洗濯物を出す。
そこまでやる体力が残っていないと、翌日の仕事に響きますし、何よりバイク自体が嫌いになってしまいます。
だから私は、Googleマップでルートを引く時、必ず帰りのルートを一番念入りにチェックします。
行きはテンションが高いから多少の峠道も楽しいですが、帰りは疲労が溜まっています。
日が暮れてからの峠道や、渋滞の激しい国道は避ける。
できれば最後は高速道路でワープできるルートを選んでおく。
この逃げ道を作っておくことが、大人の余裕というやつです。
休憩は疲れる前に取るのが鉄則
限界距離を伸ばす唯一の方法、それは休憩の技術です。
多くの人は疲れたから休もうと考えますが、それでは遅いんです。
疲れを感じた時には、すでに集中力や判断力が低下しています。
これでは事故のリスクも上がりますし、疲労の回復にも時間がかかります。
私は1時間走ったら、疲れていなくても必ず15分休むというルールを決めています。
道の駅じゃなくてもいいんです。
コンビニの駐車場でコーヒーを飲むだけでも、ヘルメットを脱いで風に当たるだけで脳はリセットされます。
これを徹底すると、不思議なことに夕方の疲れ方が全然違うんですよ。
長距離を走るコツは、速く走ることではなく、上手に止まること。
これを意識するだけで、ツーリングの質は劇的に向上します。
